毎日何回ぐらいトイレに行くかは、個人差があります。トイレが近い人なら、朝から晩までの間に10回以上行かなければいけないという人もいます。一方、トイレを我慢できる人なら、仕事中や移動中はトイレを我慢して、1日に数回のトイレでも問題ないという人もいるでしょう。
トイレの回数は、その人の食生活やライフスタイルによっても変わります。例えば水分をたっぷり補給する人なら、その分体内に摂取する水分量が多くなるため、トイレの回数は多くなるでしょう。一方、あまり水分を取らない人なら、それほど頻繁に行かないのではないでしょうか。
また、普段から汗をかく人なら、体内の水分が汗として排出されるため、トイレの回数は少なくても問題ないことが多いです。しかし汗をかかない人は、体内の水分をすべて尿として排出しなければいけないため、回数は必然的に多くなってしまいます。
トイレの回数に大きな個人差がある理由は、膀胱の大きさも深く関係しています。人間の膀胱の容量は、人によって大きな個人差がある臓器の一つです。膀胱が小さい人なら容量は250ml程度ですが、大きな人は1,000ml程度もあります。膀胱の大きさに4倍もの差があるのですから、同じ生活をしていてもトイレの回数が違うのは当然なのかもしれません。
日本人の食生活では、みそ汁や煮物、お吸い物など食事の中に水分が多く含まれたものがたくさんあります。そのため、普段から積極的に水分補給をしていないという人は少なくありません。そんな日本人の平均的な1日の排尿量は、1,000ml~2,000ml程度となります。ただし、上記のようにライフスタイルや膀胱の容量によっても尿の回数は変わるため、同じ排尿量でもトイレの回数は人によって変わります。
上記のデータからトイレの回数を単純計算すると、膀胱の容量が大きい人ならトイレの回数は2、3回でも不便を感じない一方で、トイレが近い人は8回以上という人もいることになります。
普段からトイレの回数が少ない人は、トイレに頻繁に行こうと思っても、なかなか排尿できないことが少なくありません。トイレにあまり行かなくても良いという人は、普段の生活においては便利なことが多いのですが、体内の健康管理という点では、必ずしもプラスに作用しているわけではありません。
人間は排尿することによって、体内の余分な水分や塩分を輩出します。また体内の毒素を尿として排出するデトックス作用も担っています。トイレの回数が少ない人は、体内に過度な水分や塩分、また毒素が長く蓄積されてしまうというデメリットがあります。
体内環境を改善するためには、体に良くないものは積極的に排出する作業が必要です。そのため、普段の生活では利尿作用が高い食べ物を積極的に食べてみてはいかがでしょうか。利尿作用があることで知られている成分には、カフェインやカリウムなどがあり、どちらも普段の食生活の中で気軽に摂取することができます。
例えばカフェインなら、飲料に多く含まれている成分で、コーヒーや紅茶、緑茶やウーロン茶などがおすすめです。一方のカリウムは、野菜やフルーツなどに多く含まれており、フルーツならリンゴやバナナ、桃などに多いですし、野菜ならパセリやシソ、モロヘイヤなどが豊富です。その他にも、納豆や焼き芋、ヨーグルトにもカリウムは豊富なので、普段の食生活の中で工夫しながら頻繁に摂取できるのではないでしょうか。
もしもこうした食品でトイレの回数が増えない場合には、利尿剤を使用するという方法もアリです。ただし利尿剤は、医薬品の作用でトイレを近くするため、服用すると10分から15分間隔でトイレに行きたくなってしまいます。移動中や外出中には困る事態になりかねません。そのため、初めて利尿剤を活用するなら、在宅する週末などを選ぶことをおすすめします。
トイレの回数が増えることによって、得られる健康効果はたくさんあります。
1つ目は、新陳代謝が活発になるというものです。尿と共に体内の毒素を排出するデトックス作用によって、体内はすっきりします。一つ一つの細胞に含まれる毒素が減ることで、体調がよくなったり肌の調子がよくなるといった効果を実感できるでしょう。
2つ目は、むくみづらい体質へと近づけるというものです。むくみの原因となる塩分や過度な水分を頻繁に排出することによって、体はむくみにくくなります。それと同時に、高血圧の予防効果も期待でき、大きな健康効果を実感できます。
トイレの回数を増やすことによって、体内環境が改善でき、高い健康効果を実感できます。しかし、トイレに行くたびに体内の水分を排出しているということでもあるため、こまめな水分補給をして、体が脱水症状にならないよう注意することも大切です。水分補給をする際には、一度にたくさん飲むのではなく、少量を頻繁に飲むのがおすすめです。また、利尿剤を飲むと夜中でもトイレに行きたくなってしまうことがあるので、摂取するタイミングを工夫することも大切です。